卒乳時期について

  • 2017年08月08日

sagefemmeきってのおっぱい星人聖人きよみ助産師は嘆く。

最近10ヶ月より前の卒乳の人が増えている…と言われて、私がみているLINEアプリに最近出たんです!10ヶ月からおっぱい星人になってしまうからその前に卒乳って😱
確かに色んなところで育児相談を受けているととにかくみんな1歳前後で卒乳を計画しているようす…。
正直わたしたちにもアプリの意図がよくわかりません。
でもこう書かれては、
おっぱい星人になられちゃ困るポーン
と思って卒乳を急ぐ人が増えても無理はありません。
じゃあいつ卒乳するのがいいの?
私が思っていることを言わせてもらえば、
その問いは
“何歳まで夫婦生活は続ければいいですか?”
というのと同じだと思います。
夫婦の関係はそれぞれなので、決めるのは自分たちです。
母乳育児も夫婦生活も、一定の時期を過ぎれば栄養と生殖という本来の意味合いはなくなっていきます。
でも二人のつながりを確かめたり、安らぎや信頼という意味は、いくつになっても変わりません。
でも、それを続けてさえいれば関係が良好に保てるというものでもないし、好みの量も質も人それぞれで、さらに歳とともに変化もします。
さらにどちらかが嫌になれば、相手が喜ぶから、と折り合いがつく場合をのぞいて、無理を強いて続けてもいいことはありません。
反対にやめたはいいものの、どちらかに未練があるとわだかまりを残すこともあります。
そんなところも母乳育児と似ていると思うのです。
2歳までと言われているからそれまで続ければ正解ニコニコ
というものでも、
早く飲まなくなったからダメえーん
ということでもありません。
すごく個別に、変化する状況に合わせて考えていかなきゃいけないことだと思います。
6ヶ月を過ぎると赤ちゃんの必要とする栄養が増える分、母乳やミルクでは不足する栄養素が出てくるのは確かです。
そして大きくなるにつれて不足分は増えていきます。
だからといって
もう母乳に意味はないからやめようパー
というのは乱暴な話です。
母乳は1歳を過ぎても糖質、脂質、タンパク質、免疫物質を含む、100mlあたりだいたい60Kcalを供給し続けています。
だからただ、足りなくなる分を補えばいいのです。
それが補完食、いわゆる離乳食です。
離乳食というと母乳をやめるため、という意味に誤解されやすいので補完食という呼び方に改められましたが、あまり定着していない印象。
そして補完食はやがて赤ちゃんが家族の食卓につく日につながっていく、いわば過程です。
母乳で発育発達に問題がないのに補完食が進まないから卒乳するというのも、何か本末転倒のような…。
補完食のあげ方や内容を見直すことで食べるようになることもあるので、母乳をやめるのは最終手段にしたいものです。
なぜなら母乳育児は一度やめたら再開できないからです。そこは夫婦生活と違います(笑)
○月に仕事復帰するんですが、いつ頃やめたら間に合いますか?
というのもよくきかれます。
これも一概には言えません。
だって、その頃には昼間母乳をほとんど飲まなくなっているかもしれませんし、保育園に入って流行性の感染症で母乳が命綱になることがあるかもしれません。
昼間離れた分帰ってからの授乳が二人の心の癒やしになるかもしれません。
赤ちゃんが1ヶ月、1週間でどれだけ変化するか、近くで見ていたらわかりますよね。
赤ちゃんにとっては1日がとても大きいのです。お母さんに甘えられる幸せな授乳期間を、1日でも長く続けたいのではないでしょうか?
復帰=卒乳
以外の選択肢もあるということを頭に置いておいてほしいと思います。
そして赤ちゃんが大きくなればなるほど、真剣に話せばわかってくれるようになるということも。
先を読んで計画的に動くのが良しとされる大人社会と赤ちゃんの世界は違います。
赤ちゃんの世界に大人が合わせられる工夫とゆとりが、大人社会にも欲しいものです。
ぜひ
卒乳どうしようかな?
と思ったら、まずはスマホで調べる前に助産師にご相談ください!あなたに最適な答えは、そこには書いてありません。
お母さんと赤ちゃんの心と体と生活の様子に合った、どんな選択肢があるか、一緒に考えましょうウインク